大空を舞え


鶏に任せる育て方

鶏のことは鶏が一番良く知っています。どんなに資料を読んでも、鶏以上に鶏のことを知ることはできません。だったら鶏自身に任せてしまう。当たり前のようで、実はこれが一番良い飼い方ではないかと思っています。

①自然まかせ鳥まかせ

「鶏は自分で選択する」

丁度良い気温になる午前10時ごろ。毎日鶏たちは本当に気持ち良さそうな顔をして日光浴を、砂浴びを、しています。鶏が欲する事をなるべく出来るような環境を作ってやること。それが百鶏園の飼い方です。日向と日陰や砂、止まって休む止まり木、落ち着いて卵を産める産卵箱。養鶏という産業を営む以上、それ自体が既に人工的になりますが、その中で最大限に鶏が選択出来る幅を広げられるように飼育しています。


②平飼い?放し飼い?

「鶏舎の外へ放す勇気」

365日放し飼い。朝来たら鶏舎の外の放牧場へ放し、夕方鶏舎へ戻す。毎日かかさず外へ出す。百鶏園は全羽放し飼いです。

ニワトリだって生きています。卵を産む機械ではありません。病気を恐れて窓もない鶏舎に閉じ込め、卵を多く産ますため夜通し電気をつける。皆それぞれの思いで生産しているはずなので特に批判はしませんが、我々は生産者である以前に飼育者であることをよく自覚してやっていきたいと思っています。


③慌てるな よく言うだろう 急がばと

「ゆっくり育ち、ゆっくり産む」

一般的な初産(50%以上の鶏が卵を産む日)は150日ごろ。生まれて約5ヶ月前後で卵を生み出すということになります。変わって百鶏園の鶏たちは220日齢前後で初産を迎えます。一般より2ヶ月以上後になります。慌てて大きくせずゆっくり育てて卵を産むことで①体格がしっかりしてから産むため初産からしっかりしたサイズの卵になる②産卵率の起伏が少ない③待ちくたびれたぐらいの方が何でも嬉しい、などの効果があります。


余談

 実は私は最初、動物園の飼育員を目指していました。その関係で出会ったある飼育員の方が「動物は作るもの」と言ったことをよく覚えています。限られた動物園という空間の中でいかにきれいな(羽艶が良い、毛並が美しいなど)動物にするか。同じ飼育スペースで同じ動物を飼っていたとしても飼育者の腕一つで雲泥の差が出るそうです。つまり何が言いたいのかというと、こと鶏に関して言えば放し飼いだから良いケージ飼いだから悪いとは一概に言えないということです。肝心なことは環境のせいにせず、いかに工夫するかそして、結局最後は「じゃあ今その動物は美しいか」にかかっています。卵(生産物)ばかりに目を奪われず、美しい鶏を作っていきます。

良い加減な話

 放し飼いとあるのに「なんだよ網で囲ってあるじゃないか」と聞こえてきそうですが、、

 囲わないと結構好き放題遠くまでいきます。更にキツネさんたちの格好の餌食となります。不思議なことに夜寝ている鶏舎からそこまで遠くへは行きません。しかし年中ニワトリたちが好き放題にしていたら常に1人監視役を置かねばならず、それでは昼寝もできません。故にこれが、百鶏園の放し飼いです。良い加減でしょ。